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池波正太郎『江戸前 通の歳時記 酒肴エッセイ選集(集英社文庫)』高丘卓編 イラストレーション矢吹申彦 集英社

昨日読み終った本。

池波正太郎江戸前 通の歳時記 酒肴エッセイ選集(集英社文庫)』高丘卓編 イラストレーション矢吹申彦 集英社 2017年3月刊。

https://bookmeter.com/books/11584529

https://www.amazon.co.jp/dp/4087455572

https://www.amazon.co.jp/dp/489456081X

「成熟は舌とともにあると考える池波流“通の嗜み。下町生まれの作家が、人生の折々に出会った忘れられない味。東京に残る“江戸前を味わう暮らし。本物の食通による名エッセイ集。(挿絵 矢吹申彦)」

江戸前食物誌(ランティエ叢書)』角川春樹事務所 1997.7 を改題、再編集。

巻末に「収録単行本」p.209-211 が掲載されているけれど、初出をぜひ記載して欲しかった。

1923年1月25日生まれで1990年5月3日に亡くなられた池波正太郎さんが何歳の時に書かれた文章なのかを、「池波正太郎略年譜」p.198-208 で確認しながら読みたかったなぁ。

高校生の頃(1970-72)毎月読んでいた『ニューミュージックマガジン』の表紙にミュージシャンを描いてた矢吹申彦さん(1944- )による挿絵と「くいしん坊正ちゃん」p.212-215 も楽しいです。

底本

『食卓の情景』朝日新聞社 1973  「どんどん焼き

『男のリズム』角川書店 1976  「食べる」

『散歩のとき何か食べたくなって』平凡社 1977  「深川の二店」

『新年の二つの別れ』』朝日新聞社 1977  「冷奴」「花見とだんご」

『私の歳月』講談社 1979  「小説の中の食欲」「東京の下町」

『男の作法』ごま書房 1981  「通のたしなみ」

『味と映画の歳時記』新潮社 1982  「味の歳時記 一月~十二月」

「私を可愛がってくれた曾祖母が八十をこえて、老衰の床についたとき、亡くなるまでの三カ月間、私は小学校から帰ると、すぐさま台所で、曾祖母が好物の素麺を茹であげ、附汁(つゆ)までつくった。

できあがって盆に乗せ、二階の三畳に寝ている曾祖母の枕元へ持って行くと、曾祖母はさもうれしげに笑って、巾着の中から二銭くれる。別に、それがほしくてやったわけではない。母は働きに出ているし、祖母は家事にいそがしい。だから、十歳の私がやったまでだ。

曾祖母が亡くなったとき、毎日もらう二銭が一円五十銭たまっていた。そこで、すぐさま、かねてから食べたい食べたいと念願していたビーフ・ステーキを、上野広小路松坂屋の食堂へ食べに行った。

食券を売っている女店員が、「お母さんは来ないの」と、問いかけたことを、いまもおぼえている。そのときのビーフ・ステーキの味は、いまも舌に残っている。」

p.184 五章 食べる

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